守り抜こう九条と表現の自由

—反核反戦展メッセージ(アッピール)—

安倍政権の下で、戦争の危機はいよいよ高まってきた。戦後70年、我が国を「国家テロ」(チョムスキー)ともいうべきアメリカが起こす戦争に巻き込まれることから、かろうじて守ってくれた憲法九条も危なくなってきた。いつ、その息の根が止められるか分からない。既に、眼に見えない情報の網の目が国民の頭上に幾重にもかけられ、昔とは全く違うかたちのファシズム体制が、すっかり出来あがっているのだ。われわれ「表現者」は、断じてその網にからめとられてはならない。体制側の巧妙な世論操作 “大本営発表” に騙されてはならない。

守るべき最も大切なものは「表現の自由」である。創造の場に於いては他者から「むつかしい」とか「分からない」などという指摘をおそれない強気が必要である。たとえ「自己満足」とみなされ、非難されてもよいではないか。その上で逆に全ての自己満足を束ねて、強く、しぶとく体制に抗おう。昔の戦争ではそれができなかった。たとえば、わたしの先輩(名古屋・美術文化の会員)の話では、戦争中、彼の作品は官憲に没収され、焼き捨てられたという。今後、二度とそういうことが起きてはならないのである。

われわれのこの「反核反戦展」は、小さいながらも、そのための重要な拠点だ。
あらゆる困難を乗り越えて、強く、しぶとく闘い続けようではないか!

2016年7月 池田龍雄