『核×戦争のアートアクティヴィズム』―ディスカッション:反核・反戦と表現の自由

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12月17日(土)13時~15時(12時30分 開場)
場所:原爆の図丸木美術館 小高文庫 ※参加者数により変更
〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子 1401 TEL:0493-22-3266
参加費:500円 (資料・茶菓子代) ※美術館入場料別途要

■小倉利丸《批評家》
遊動と根拠地:アナログ・アートアクティビズムへ
■岡村幸宣《原爆の図丸木美術館 学芸員》
《原爆の図》の活動期――占領下、1980年代、そして現在
■狩野 愛《アートアクティヴィズム研究》
アートアクティヴィズムは国境を越える

 《原爆の図》の全国巡回は、原爆被害の報道が禁じられていた占領期に始まり、1950〜53年の約4年間で、全国170カ所以上で開催されました。丸木位里・俊が、美術作家として反核・反戦の悲惨さを表現し、全国行脚して展示し、物語を伝えていく活動は、社会教育やジャーナリズムとも結びついた実践だといえます。ただ、現在の「自由に制作・発表出来ている」状況におけるアートの制作と展示と比べると、大分異なる活動のあり方かもしれません。しかし、アーティストと美術関係者が、積極的に原発や米軍基地の緊急の問題に関わり、解決に向けて一歩踏み出す方法を議論し、共有し、模索する機会を増やしていく意味はあるでしょう。
 かつての丸木夫妻のアートアクティヴィズムの実践と、今日までの原爆の図丸木美術館の取り組みを省みると、社会の中で美術を機能させる意識を持つべきなのか、美術の中で社会を見出す契機を作っていくべきなのかという問いは、もはや無効であると言えるでしょう。むしろ、今回のトークイベントでメインに据えたいテーマは、アートを触媒にした対抗文化は、今日の社会制度、美術制度が敷かれた空間で、いかにラディカルさを確保し、力を発揮できるかということです。
 世界的にもナショナリズムが求心力を持ち、政治状況が激しく揺れ動く一方、市民として反核・反戦を実現していくユートピアを、発表と参加者を交えたオープンディスカッションで描き、より広くアートアクティヴィズムの可能性を見出せればと思っております。皆さま、奮ってご参加ください。